

南高梅(なんこううめ)
ミニトマト生産者
続けて荒天に遭いましたが
産地が培った底力で
乗り越えていきます
日本一の梅の里 和歌山県は国内の収穫量の約3分の2を占める全国一の梅産地です。僕が生まれ育った印南町やみなべ町、田辺市の地域は、県内でも有数の梅の生産地で、自分にとっても梅は、昔から当たり前にある身近な存在でした。現在も当地の生産部会には大小の農家を合わせて合計1,000名以上の会員が所属しています。若い新規就農者の参入をはじめ、世代交代で若手に事業継承している農家も多いですね。長年にわたる梅産地が培ってきた栽培技術は非常に奥深く、今も熱心に技術を探究されている先輩農家が数多くおられます。これから先も生産体制を維持していける、元気のある産地だと感じています。

災害と産地の団結力
ただ、昨年と今年は2年続けて雹の被害を受け、過去にないほど産地は厳しい状況にあります。今年は4月に県南部で突風を伴う雹が4回も降り、梅の実が落下したり、表面に傷が残るなど影響が出ました。特に、実が大きくなるにつれて傷も目立つようになり、見た目の美しさが求められる梅の品質に大きく関わってきます。
それでも、昨年は収量減の中で臨時の出荷規格を設けるなど、市場に出せるよう工夫を重ねて対応しました。今年も昨年以上に厳しい状況ではありますが、生産者や関係者が連携して何とか乗り切って来年に繋げていこうとしています。昨年から続く梅干しの価格上昇の背景には、このような歴史的な天候不順と不作があることを、全国の皆さんに知ってもらいたいですね。
農業と地域を次に繋ぐ 自然に振り回されることも多々ありますが、農業は太陽の恵みや故郷の水や空気などの自然との共同作業で作物を育てる他にない仕事です。さらに、収穫した作物を届けた生活者から、「ありがとう」「いただきます」と笑顔や感謝を頂けるやりがいのある職業です。人間は食べなければならないから、農業を廃れさせてはならないという思いが僕にはあります。そして、梅とトマトの一大産地に暮らす地域の一員として、祖先や先輩が大きく育てた特産品を次に繋げたいという思いも。今年45歳、後50年は生涯現役で農業をしたいと考えています。
南高梅(なんこううめ)

日本国内だけではなく海外でも知られる和歌山県の紀州南高梅は、大粒で肉厚、梅干にすると非常に柔らかく仕上がります。実が大きくエキスもたくさん取れるため、梅酒や梅ジュースをつくるのにも適しています。生産者の江端さんは、白干し梅をお粥やお茶漬け、茶粥などでよく食べていると言います。「白干し梅は塩のみで漬けているので、酸っぱい中に梅、本来の味を感じます。1日1個は梅干しを食べているからか、風邪はほとんど引きませんね」。
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