

すももは弥生時代に中国から日本に伝来したと考えられており、古事記や万葉集に「李」としてその名が見られます。主に観賞用として栽培されていましたが、江戸時代に食用としても広まり、明治時代になると果樹園栽培も始まりました。この頃に日本のすももがアメリカに渡り、アメリカの品種と交配。これが逆輸入され、そこから品種改良を施したのが現在の日本のすももです。ちなみにすももは、東洋原産の「日本すもも」と欧米の「西洋すもも」、「アメリカすもも」の3つに大別されます。
和歌山県のすももの生産量は全国4位。県内産地の一つであるかつらぎ町は、市町村別の生産量で全国2位を記録します。県内で最も早くすももの栽培を始めたのは田辺市で、大正時代に導入され産地化が進みました。最も生産量が多い品種は、収穫が最も早くさっぱりとした味わいで人気の「大石早生」。次に多いのは晩生のソルダムで、深みのある甘みとジューシーさが特徴です。その他には、プラムコットやサンタローザ、貴陽、太陽などの品種が栽培されています。県内で特筆すべきは田辺市新庄で発見されたシンジョウという品種。当時のJA紀南により2002年に品種登録され、現在も全国で唯一、この地域だけで少量栽培されており収穫期間も2週間程度と短いことから、希少なすももとして知られています。

日本で一番生産されている品種。福島県の大石俊雄氏が育成し、「フォーモサ」という品種の自然交雑実生を選抜したもので、1952年に品種登録されました。

明治~大正時代にアメリカから導入された100年以上の栽培の歴史のある品種です。食味が良く栽培しやすいことから現在も大石早生の次に全国で栽培されています。

別名「さんたろう」。アメリカの育種家が日本すももと現地のすももを交雑して育成し、大正時代に日本に導入されたと伝わります。適度な酸味があり濃厚な味わいが特徴。