全農
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生産者の声
大分味一ねぎ
出口一隆さん(33歳)
  晴香さん(36歳)
大分県宇佐市
小ねぎ(大分味一ねぎ)
生産者

2人で育てる小ねぎの調子が
夫婦仲のバロメーターです

一隆:元々、私達夫婦は愛知県で自動車関係の仕事をしていたのですが、2年前から私の地元で農業を始めることにしました。大きなきっかけは父の他界です。母親を一人にしておけないという思いがあり、Uターンを考えました。当時妻とはまだお付き合いをしている状態で、「ついて来てくれ!」というより、「君にも選択肢はいろいろとある。でも、ついて来てくれるなら結婚しましょう」という感じで、帰郷と農業を始める決意を伝えました。

晴香:最初に聞いた時は、本当にパニックになりましたね(笑)。私の出身は愛知県だし、このまま愛知県で一緒に家庭を持つイメージを漠然と持っていましたから。それに農業という選択肢はまったく頭にありませんでした。でも、主人の心は勝手に決まっているみたいだし、自分の両親にどう説明しよう...と整理が追いつかない状態でした。当然、両親も驚いていましたけど、「自分で選んだ人生なら応援するよ」という後押しもあり、決断は早かったですね。

一隆:帰郷を機に農業を始めた理由は主に2つです。一つは、親父が兼業で米をやっており、農業が身近な環境で育ったこと。もう一つは、ずっと工場の中で働いていたので、陽を浴びて仕事をしたいという思いが強かったからです。栽培品目はいろいろと事前に調べて小ねぎに決めました。大人になってから地元に戻った際に、大量の小ねぎと豚肉で頂く「ねぎしゃぶ」という料理を知り、小ねぎって面白いなと思ったのも興味を持ったきっかけの一つです。

晴香:先ずは2人でトレーニングファームに通う大分県生活がスタートしたんですが、私にすれば、結婚、大分県に行く、農家の嫁になるという、一気に色んなものが変わったわけです。トレーニングファームでも覚えることが数多くありました。でも、大変さよりも面白いなという気持ちが大きかったですね。最初は教えられた通りにやると上手くできました。しかし、次に自分達で考えて工夫を取り入れながらやると難しくなってきたんです。2人で改善策を話し合い進めている感じですね。

一隆:2人で新しい学びを始めるのは中々良い経験でした。良くも悪くも家と職場が一緒なので、一日中一緒にいます。最初はいろいろと喧嘩も絶えませんでしたが、話すことが増えてずっとコミュニケーションを取り合っている感じです。農業をしていなかったら、こんなに話をしていなかったと思いますね。

晴香:小ねぎの調子が良いと喧嘩をしない(笑)。少しでも調子が悪くなると2人の間もピリつくんですよ。子供も生まれましたし、初期投資費も返さないといけません。しっかりと良い小ねぎをつくって、家庭円満を守っていきます。


大分味一ねぎ

 大分味一ねぎは、県を代表するブランド野菜として知られています。肥沃な土の栄養をしっかりと吸収し、シャキシャキとした食感と歯応え、そして瑞々しさのあるねぎに育ちます。出口一隆さんは、「我が家では味噌汁に入れるのはもちろん、ねぎしゃぶもよくつくります。癖のない小ねぎなので、さまざまな料理に使えます。余ったねぎを玉子焼きに入れたり、アクセントが欲しい時に丁度良いですね」と語ります。