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甘太くん

甘さが太いという特徴から名付けられました。ウイルスフリー苗を使用。
糖度検査をクリアした圃場で収穫したかんしょを40日以上貯蔵した紅はるかが「甘太くん」として出荷されます。

品種:紅はるか 出荷時期:11月中下旬

紅はるかの登場と全国のさつまいも事情

 近年、ホクホクではなくしっとりした食感のスイーツ系のさつまいもが人気を集めています。その立役者といえる品種の一つが「紅はるか」です。糖度が高く焼き芋にすると60度にもなり、甘さが口いっぱいに広がります。紅はるかは「九州121号」と「春こがね」を交配させてつくられ、九州沖縄農業研究センターによって2010年に品種登録されました。全国のさつまいもにおける品種別の作付ベスト5は2019(令和元)年で、1位がコガネセンガン(約22%)、2位紅はるか(約15%)、3位ベニアズマ(約13%)、4位高系(約11%)、5位シロユタカ(約9%)です。このうちコガネセンガンは焼酎用、シロユタカはでんぷん原料品種で、その他3品種は生食用として主に栽培されます。

全国のさつまいもにおける品種別の作付

いち早く品種を切り替えた大分県

 大分県の豊後大野市と臼杵市野津町は戦後からさつまいもの栽培が盛んで、現在は紅はるかが主力品種となっています。同地では数名の農家による紅はるかの試験栽培が2005(平成17)年から始まり、約10年で一気に広がりました。品種の切り替えに踏み切った大きな理由は、高単価の獲得です。見た目が他産と比較するとどうしても劣り、市場からも「もう少し良くならないか」という意見が出ていました。そのような中で、紅はるかを試験栽培すると同地との土の相性も良く、長細い綺麗な形がつくりやすいことが分かります。丁度その頃、スーパーなどでは店頭で電気式焼き芋機が登場し、甘い焼き芋の需要が高まります。また、スイーツブームなど高糖度の作物が好まれる風潮も追い風となりました。面積拡大では2014(平成26)年頃に進んだたばこの廃作が大きく関係しました。広い農地を有する葉たばこ生産者が、空いた農地に転換作物として紅はるかを採用するケースが多数見られたのです。現在の作付面積は約160ヘクタールで、ブランド名「甘太くん」の名で知られています。