全農
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生産者の声 とやまの白ねぎ
五十嵐 明さん(74歳)
アイエッチファーム代表
富山県富山市
白ねぎ生産者

一所懸命働いて、しっかり稼ぐ
永続する農業のカタチを確立して
次世代の仲間にバトンを
つなぎます

 長年勤めた会社を定年退職した後に、ねぎ農家になり2年目には法人化しました。僕は「企業は永遠なり」という考えを持っています。日本の農業は高度経済成長の頃から「3ちゃん農業」という言葉が登場しました。働き手の「父ちゃん」が外に働きに出て、農業をする人は「爺ちゃん、婆ちゃん、母ちゃん」であるという意味です。時代が下るにつれて「爺ちゃん、婆ちゃん」の「2ちゃん」になる家も多く、その世代で離農するケースも。その結果、富山県でも現在は休耕田が目立ってきました。僕は「田んぼが遊んでいるのはもったいない」と思いましたし、始めるなら本気でやりたいと思ったんです。事業を大きくするには65歳の僕だけでは限界がありますし、若者の力が生かせて彼らの将来が拓けるような農業法人をつくろうと考えました。

農業と働き方改革 従業員の生活を安定させる意味もあり、当社ではねぎを周年栽培しています。雪の降る冬場は収益が伸びませんが、稼げる時期にしっかり稼ぎ、稼げない時もきっちり稼ぐというのが方針です。忙しく働くことになりますが、高収益事業にして従業員にもしっかり返すという思いでやっています。少し話はそれますが、今言われている働き方改革は、農家にとっては合わない部分もあると感じます。人間が休んでいる間もねぎは育つし、雑草は生えます。それに昭和・平成の企業人として勤め上げた僕からすると、しっかり働いて、しっかり配当するという方向でないと、勉強も労働も手を抜く人が出て日本の国力も下がるのではないかと心配しています。野菜の生産額が日本で最下位、稲作がメインの富山県内で、僕達が真夏の炎天下や雨の日に畑に出てねぎの世話をしていると、「五十嵐は変わったやつだ、でも一所懸命やっている」と励ましの言葉をもらうことがあります。僕と思いを共有できる仲間を増やして、富山の農業に貢献したいと思っているところです。
 僕には夢があって富山で成功したら、勤めていた時に出張で頻繁に訪れていたマレーシアでねぎをつくりたいんですよ。そして、海外で軌道に乗ったら温暖な場所でゆっくりゴルフを楽しみたいと(笑)。世界に羽ばたくことも視野に入れてASIAGAP認証も取得しました。色んな可能性に挑戦しながら、従業員や仲間と一緒に大きくなりたいと思います。


とやまの白ねぎ

 日光に当たらないように高く土を被せて育てる白ねぎは、青ねぎに比べて甘みがあり煮込みや焼き物に適しています。白ねぎは淡色野菜(青ねぎは緑黄色野菜)に分類され、主にビタミンCやβ‐カロテン、カルシウムなどの栄養素を多く含みます。五十嵐さんは「保水力の高い土壌で育てるので、水分の含有量が多くてとても瑞々しいねぎになります」と語ります。

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