全農
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生産者の声 富山平野の米
黒田真吾さん(34歳)
富山県富山市
米生産者

故郷の美田を守り富山から世界に
日本の米の美味しさを伝えたい

 私が働く「グリーンパワーなのはな」は、JAなのはなの出資で1996(平成8)年に設立されました。水稲で252ha(1ha=10,000m2)、大豆や花卉などで162haの農地を、従業員38名で世話しています。当地でも高齢を理由に離農される方が多く、受託面積は年々増えています。地域の方々から託されるたびに、信頼に応えて良い田んぼにしようという気持ちになります。最近はどこも高齢化の問題を抱えており、営農組合を組織してみんなで地域の農業を守ろうという動きが盛んです。しかし、営農組合に参加する人も高齢者というところも多いと思います。当社は平均年齢が36歳と若いのも特徴の一つです。組織で農業をやる魅力は一つのチームとして協力し合いながら、収穫の喜びを分かち合えることです。仲間の存在はやりがいにもつながっています。

休耕田を減らす新しい活路  国内の米の生産事情は、2018年度に約半世紀にわたって実施された「減反政策」の廃止で変化しました。米の生産を抑制した政策は、休耕田が増加した理由の一つだと思います。これからは遊んでいる田んぼは、草刈りをするなどの手間がかかるだけで何の生産性も望めません。一方で、米の国内消費を伸ばすのは中々容易なことではないわけです。農業をよく知らない人は、「田んぼを畑に変えて野菜をつくればよい」と簡単に言ってきますが、作物をつくるには適地があります。例えば、私が今いる場所は勾配がなく、米は作りやすいが畑になりにくい土地です。そこで当社では、地域の休耕田をなくしつつ新しい販路を拓くために輸出にも目を向けました。2年前に中国へ白米を輸出したのを皮切りに、今年はイギリスにも販路を広げています。白米以外では昨年から、黒米と赤米をイギリスとフィンランドへ輸出しています。日本の米は海外産に比べて値段が高く、販路拡大は容易ではありません。しかし、ヨーロッパや東南アジアなどを回ると日本食レストランがたくさん出店しており、マーケットが拡大するチャンスはあります。現場で米作りを任されている私は、日本の米の美味しさを一人でも多くの人に知ってもらいたいという思いで日々、米と向き合っています。工夫をもっと重ねて管理や栽培の技術を上げ、メイドインジャパンの本物の日本米を、富山から世界に届ける活動にも貢献したいですね。


富山平野の米

 北アルプスの雪解け水が潤す富山平野は、古くから国内有数の米どころで知られます。コシヒカリをはじめ富山県のブランド米「てんこもり」などの白米はもちろん、黒米や赤米などの古代米は国内屈指の生産量です。健康食としても注目を集める古代米は、ポリフェノールを豊富に含み、白米に混ぜて炊くと薄紫色の彩りに加え、香り豊かなご飯になります。

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