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生産者の声
ストレリチア
福阪 洋さん(61歳)
滋賀県東近江市大中町
ストレリチア、水稲 生産者

農家は自分達の魅力や
良い点を発信し
農業の印象を変えていくべきです

 ゴクラクチョウカ属の一種であるストレリチアは、別名でも極楽鳥花(ごくらくちょうか)と呼ばれます。原産は南アフリカと暖かい地域で、国内の生産量では沖縄県が1位、滋賀県はその次になります。元々、昭和50年代に一人の農家が愛知県からストレリチアの株を持ってきて育て始めたのが県内のルーツです。他の花にはない、特徴のある美しさを持つ花ですが、その独特な姿から地元でもまだまだ知らない方がたくさんおられます。主に生け花で用いられることが多く、その他にもブライダル関係や年末年始の飾り花として重宝されてはいますが、なかなか一般家庭の中にまでは浸透していない印象ですね。私は家でもよくストレリチアを飾っています。また、近所の飲み屋さんをはじめ、付き合いのある商店にも飾ってもらうようにしているんです。室内に一輪でもあると、その場の雰囲気を変える力のあるお花なんですよ。初めて見る人は「こんな姿をした花があるんだ」と驚かれますね。

半永久的に育つ株  ストレリチアは株を植えたら半永久的に育つと私は聞いています。根っこがものすごく地中に伸びるんですよ。株を何十年と手入れして育てるので、例えばヒマワリなどの種を撒いて収穫する他の花とは付き合い方が違いますね。株は年数がたつと大きくなり、その分、花の軸が細くなってしまいます。そのため定期的に、株を地面から起こして株を割って、株分けする作業を行わなければなりません。大きくなった株の根は深く、とても人の力では無理なんですよ。スコップでは柄が折れるため重機を用いる大変な作業です。だから取り掛かる前は「やるか、どうするか...」と二の足を踏んでしまいます。スコップで掘った穴に株を植え替えるのですが、株は小さくても重たいので骨の折れる作業となります。

職業としての農家の魅力  私は元々は会社員で、結婚を機に妻の家の農業を継ぎました。当初は野菜を手掛けたいなと考えていましたが、既にストレリチアで畑一面が埋め尽くされていたので、もうやるしかないなという状況でした(笑)。でも、この花が好きで、農業が好きで今まで続けてきました。農家は辛いとか大変とか、そういう面がクローズアップされる機会が多い気がします。しかし、農家にも職業として、生き方としての魅力がいくつもあるんです。休みがないようで、自由に取れたり。家族とずっと一緒ですが、絆が濃くなるとか。農家や関係者はもっと農業の魅力を発信するべきだと感じます。国内農業や地域社会の状況を変えるには、自分達の良いところを自分達が大切にすることから始まると思いますね。


ストレリチア

 極楽鳥が翼を広げたような姿で、見る人を魅了するストレリチア。花茎から約90度に伸びる仏炎苞(ぶつえんほう)から、青紫色の花冠(かかん:雄しべ・雌しべ含む)と花びらに見える橙色の萼(がく:葉が変化したもの)が起き上がります。生産者の福阪さんは次のように説明します。「花の形態が特殊で輸送が難しく、海外からの輸入が少ない品目になります。長く楽しみたいなら、花冠が1本出ている状態のものを選ぶと良いですよ」。