agrifuture vol.48
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P.08当たり前にある清流や恵まれた環境を次の世代に残すために今できることをやるんです 私達の生活を潤してくれている仁淀川は、国土交通省が毎年行う水質調査で3年連続、「水質が最も良好な河川」に選ばれています。土佐市の北隣、仁淀川の上流に位置する吾川郡いの町の商工会は、清流・仁淀川のPRを目的に「仁淀ブルー」という商標を取得し積極的に利用を促していました。そこで私達は、仁淀川の伏流水を使って育てるメロンを「仁淀ブルーメロン」として出荷することにしたんです。 メロン栽培は、毎年異なる天候に左右されるので、全部を上手く実らせるのは難しいですね。それでも、日本一清らかな水を使っている以上、世間が納得する良いものを作ろうと、生産者は気合を入れて技術向上に努めています。 仁淀川は子供たちの遊び場で、私も小さい頃は暑くなったら仁淀川で泳いでいましたよ。自分達にとっては当たり前の川なので、特別綺麗とも思っていませんでした。ですが大人になって他の川と比べると透明度が違うなと感じますね。この綺麗な川を残していくのが今住んでいる私達の課題だと考えています。「仁淀ブルー」の商標を使う取り組みが増えていき、流域全体で保全の意識が高まることで、商標商品の売り上げの一部を川の保全資金とする仕組みなど、活動が盛り上がっていけば良いですね。 仁淀川だけではなく、ここ土佐市は他にも素晴らしい自然がたくさんあるんですよ。海は南に開けているからか圧迫感がなくとても綺麗です。地域の人柄も良くて、若い頃は先輩方に「ここが分からんです」と習いに行くと丁寧に教えてくれましたよ。このような土地環境のありがたさは歳を重ねるにつれて身に染みてきますね。遊びに出るなら都会が良いかもしれませんが、生活するにはこういうのんびりした場所が良いですよ。全国各地を転々とする仕事をしている息子も、しきりに「高知よりええ場所はないき」と里心を出しています(笑)。奇跡の清流・仁淀川住むのに最適な場所農業のホント ホンネ ホンキ田原幹夫さん(57歳)高知県土佐市高岡町仁淀ブルーメロン生産者

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