AGRIFUTURE Vol.68
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JAかながわ西湘の文化・名所P.10太閤の大いなる奇策石垣一夜城 関東の覇者・小田原北条氏の本拠点である小田原城を、豊臣秀吉が15万の大軍で包囲した際に本営として築いた城です。関東で最初に造られた総石垣の城で、3~4万人を動員し、約80日間を費やして構築されました。小田原城から見えないように築き、完成後に周囲の木を伐採したため、一夜にして城が出現したと小田原北条氏は大いに驚いたといいます。神奈川県小田原市早川1383-12相模湾と相模灘の境界線にある絶景真鶴岬と三ツ石 真鶴岬は、神奈川県南西部にある真鶴半島の先端に位置します。岬の先にある奇岩・三ツ石は約15万年前に噴出した溶岩で、波の浸食を受けて形作られたと考えられています。真鶴の人々が300年以上守ってきた真鶴半島の魚付き林(海岸近くの森林が魚を寄せるという伝承)により、周囲の磯では貝類や甲殻類、魚など、さまざまな生物が観察できます。神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴天狗が護る霊山大雄山 最乗寺 1394年に開山された曹洞宗の寺で、福井県の永平寺や横浜市鶴見区の総持寺に次ぐ曹洞宗の名刹です。境内の堂塔は30以上で、全国に4千余りの門流を持っています。創建に貢献した僧・道了が、寺の完成と同時に天狗となって身を山中に隠したと伝えられることから、地元では「道了尊」とも呼ばれています。この道了にちなんで、境内には多数の下駄が奉納されています。神奈川県南足柄市大雄町1157金太郎とゆかりの深い滝夕日の滝 標高約500メートルにある夕日の滝は、金時山の斜面から酒匂川(さかわがわ)へと流れる内川の上流にあります。夕日に映える美しい姿から滝の名称がついたと伝わりますが、勇ましく水煙を上げる男性的な様から「雄飛の滝」で知られた時もあったそうです。金太郎で知られる坂田金時が、この滝の水を産湯に使ったそうで「金太郎産湯の滝」とも呼ばれます。江戸の町作りに影響を与えた上水道小田原用水 小田原用水は、箱根の芦ノ湖を水源とする早川の水を、小田原市板橋の水取入り口から取り入れて、旧東海道に沿って水路を造り、小田原城下町へ流した上水道です。この古水道は小田原北条氏時代に整備されたものと考えられています。日本最初期の上水道と言われており、これに影響を受けた徳川家康は江戸にも玉川上水や神田上水などを造ったそうです。小田原用水(早川上水)取入口:神奈川県小田原市板橋(早川上水)神奈川県南足柄市矢倉沢

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