AGRIFUTURE_Vol.47
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P.07農業はきつい仕事に映るかもしれませんがその分、自分に直接結果が返ってくる人生をかけられる仕事です 農業を始める前は工場に勤めていました。当時の私は、一生このままで良いのかという漠然とした焦燥感がありましたね。そんな時に、後継者のいなかった叔父さんに「うちで農業をやってみないか?」と声を掛けてもらったんです。農業には「きついだろうな」というイメージしか持っていませんでした。ただ、叔父さんには「農業で稼いでいる人」という印象がありました。きついかもしれないけどやった分の結果が自分に返って来るなら、今より良いのではないかと考え、就農することにしました。 農業を始めて10年経ちますが、随分と自分も変わったなと感じます。サラリーマン家庭に育っていますし、農業高校や農大を出ていませんから、農業を始めた時はまったくの素人でした。いわゆる農業エリートでない分、「俺はやるんだ」と自分を追い込んで、技術習得に励んでいます。分からないことは知り合った先輩農家に積極的に聞くようにして、周囲に追いつき追い越せでやってきました。気が付くと、顔見知りの先輩農家がたくさんできて周囲との協力関係が築け、JAスイカ部会の青年部長に任命してもらえるまでになりました。 同地域にいる同年代の生産者には負けたくないですね。昨年、物凄い売り上げを記録した仲間がいまして、自分も見習わないといけないと強く刺激を受けています。切磋琢磨できる環境はありがたいですね。競い合い、協力し合うことは地域の農業を良い方向に進める一つの要素でしょうからね。この地域でも生産者の高齢化が問題となっており、今後は畑も空いてくることが予想されます。荒れ地にするのは本当にもったいないですからね。この辺りは区画整備もきちんとされていて農作業に必要な水も豊富に用意された、農業を行う上で恵まれた土地なんです。私は法人化を計画していまして、大きな受け皿を作ることで、雇用も生み出し、地域の農地を減らさないようにしていきたいと考えています。 就農を決めたのには実はもう一つ理由があり、10代の頃から「社長職になりたい」という野望もあったんです。自分で自分の道を決めるのが好きな性格なんでしょうね。法人化するなら、まずは売り上げ1億円を目指したいですね。そして農業のイメージも変えていきたいです。「危険、汚い、きつい」という農業3Kのうち、せめてきついだけでもどうにか改善したいと思っています。だってきつい分のリターンはあるわけですからね。農業素人からのスタート仲間と共に農業を変える農業のホント ホンネ ホンキ木村匡伸さん(33歳)熊本県合志市すいか生産者

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