AGRIFUTURE_Vol.45
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P.06産品が消えてしまうというレベルではなく、日本の農業そのものがなくなってしまうような状態だって起こり得るのではないでしょうか。 農家の経営が難しいのは販売努力が足りないからだと言う人もいます。また、60kg当たり6000円の国際米価に比べて、日本の米価が12000円なのは高すぎると指摘する人もいます。しかし、12000円は農家が農業を続けるための値段なわけですよ。最近の米価は10000円を切る状態です。そこに国の補助金が入ってとんとんです。補助金を待っている職業に後継者が生まれるでしょうか? そもそも海外産米と国産米の値段を比べることにどれほどの意味があるのでしょうか? 農産物の価格が国ごとに違うのは当然だと思います。アメリカの100の規模の農業に対して、ヨーロッパが20、日本は1の規模です。国土条件の違う中で、国際競争してくださいと言うこと自体が間違っていると思います。中には日本の農産物は優秀だから高く買ってくれる外国を探して売れば良いという考えの人もいます。しかし、外国のブルジョア階級に農産物を生産する気は一切ないというのが私の信念です。農業というのは自分の地域や県民、国民の心と腹を満たすために行うのが本来の姿だからです。 それに海外に食料を頼ることは危険を伴います。例えば最近でも、バターを作る原料が足りないから、日本はオーストラリアから牛乳を買おうとしました。しかし、品不足という理由で売ってはくれませんでした。金さえ払えば欲しい食料がいつでも外から手に入るというのは大間違いです。食料を自分達でまかなうというあるべき姿を崩壊させないためにも、農家の人達が結集して産地化を進め、全国各地の農村集落を維持することが国家・国民にとって大切だと思うのです。農業の本来の姿農業のホント ホンネ ホンキ

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